五味八珍てどんな店?

はじめは小さな屋台でした。

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創業者の気持ち



五味八珍の餃子(浜松餃子)は、創業者である私が昭和45年に研究・努力の積み重ねの上に作り出したものが、その歴史の始まりでもあります。
当時の餃子づくりは、現在のような生産性の高い、合理的かつ高性能な機械による製造ではなくて、本当の手作りでした。当時のことを五味八珍の歴史として少し言及しておくことにします。

毎日まいにち、明けても暮れても、いろいろな粉を使い、いろいろな皮を作り、またありとあらゆる材料を入れ調味料を使い、おいしい餃子を作ろうという日々を送っていました。自分自身の性格が大変にこだわる性格でして、何事につけ妥協を受け付けないというところがありましたので、そんな日々が結局6か月も続いてしまいました。
そして、とことんこだわり、妥協をしなかったおかげで自分で言うのもおかしな話かもしれませんが、大変に美味しく、素晴らしい味と品質の餃子が完成しました。これこそ現在の五味八珍の餃子の元祖なのでした。そして、来る日も来る日も毎朝6時から大きなボウルにひき肉を入れ、さらにその中に醤油と酒とゴマ油とコショウ等の調味料を入れ、十分混ぜ合わせて餃子のあんこ(具)を作り、そのあんこを一生懸命手で練り、延ばして作った餃子の皮で包むという作業を続けていました。

屋台五味八珍

しかし、人間の能力には限界というものもあり、どんなに頑張っても一日に作ることのできる餃子の数と言うのは、せいぜい800個が最高でした。でも、朝早くからお客様においしいとほめていただきたいと、心をこめて作った餃子は現在のように姿かたちはきれいではありませんが、本当においしいものでした。
お客様への販売は毎日夕方5時から行いましたが、いつも6時ころには売り切れになってしまいました。その間わずか1時間足らずです。

 以上が昭和45年の創業当時の五味八珍の姿ですが、苦しい毎日の中にも数多くの教訓も得ましたし、勉強も大いにしました。その当時に得た教訓や体験がすべてのもととなり、現在のブランド品としての”五味八珍の餃子”がある訳です。創業当時はすべてが手作りで、キャベツのカットにしても、ネギ・生姜・にらのカットにしても、現在のようなフードカッターで切るのではなく、すべて中華包丁による手作業であり、また餃子のあんこを練り合わせる作業も現在のようなミキサーでするのではなく、手作業で練り合わせを行いました。


餃子の皮も現在のような機械製造ではなくて、麺棒を使って手で延ばして作るという方法で行い、餃子そのものを作る作業も機械ではなく手作業で行うという状態でした。ですから、朝の6時から食事をとる時間さえも惜しんで一生懸命餃子を作ったとしても、作ることのできる数はせいぜい800個から1000個程度でした。

私は その時にふとこんなことを感じました。確かに一生懸命心をこめて作った餃子ですから、そのおいしさは格別なのですが、悲しいかな、何といっても手作り。どんなおいしい餃子を作って売ったとしても、また喜ばれたとしても、せっかく買いにきてくださったお客様に対して「本日は品切れです。売り切れです。」というのでは、そのお客様に対して本当に申し訳なくて仕方ありません。たまたま早く買いに見えて、餃子を買うことができたお客様は良いとしても、少し遅くなってから来ていただいて買えなかったお客様に対しては、どう考え、お詫びしたらよいのか。これでは本当の商売とはいえない。また、すべてが手作りですから、今のように皮の大きさも、あんこの量も、餃子全体の目方も、すべて均一というわけではなく、バラバラの状態になってしまいます。一つ一つの餃子の目方がバラバラということは、売価に対する原価(材料費)もバラバラということになります。


すると、一人前についての原価がすべてバラバラなのに、売価だけはすべて同じ。よくよく考えてみればこんないい加減な商売はありません。どこで売っている商品でも、製品でも売価が同じならば、原価だってすべて同じはずです。それにもかかわらず、私の作っている餃子は違う。いくら心を込めて手作りしても、それは味の問題だけなのです。買っていかれるお客様はそれぞれ皆さん買値は同じなので肝心の商品たる餃子については、大きいものが入っているお客さまもいらっしゃれば、小さいものが入っているお客様もいるというようにすべてまちまちといった具合になってしまいます。お客様同士で餃子の包装紙を開いて、大きさを比べたり、重さを計ったりされるお客様がいらっしゃらなくて、たまたま分からなかったというだけです。このことに気づいたときは、それこそ本当に背筋の寒くなるような思いがしました。

本当に心を込めるという事は、ただ一生懸命心をこめて手作りするということだけではなく、買いにいらっしゃったお客様にはすべて同じ商品をご注文の数だけお売りすることである。
また、売価が同じならば、原価も同じ。つまり、お買い求めいただいてお客様にお渡しする商品は、すべて同じ大きさ・同じ重さですべて均一にやるように考え努力することであると思い知らされました。




餃子のおいしさの秘訣として、皮の品質をいかに良い状態に維持し続けるか、おいしい具の状態をいかに維持し続けるかということがあります。餃子の皮というものは本当は作りたて・練りたてを焼くのが一番きれいなきつね色に焼きあがり、味もおいしいものです。生(冷凍しない)状態のまま冷蔵庫に長時間24時間以上入れておきますと、よほどの機能の優れた冷蔵庫(通風のよい、湿気の少ない冷蔵庫)に入れておかない限り、皮自体に水分が含まれ、焼いてもきれいなきつね色には決してなりません。どす黒い、汚れたコゲ茶色にどうしてもなってしまいます。

 また、 中身も同じで、普通の冷蔵庫に長時間(24時間以上)入れておきますと、どんなにおいしいあんこであっても必ずキャベツ等野菜類やその他の食材の品質に変化が起こり、必ず味が落ちてきます。よく皆さんが体験される少し酸味のある餃子がこの部類に属します。
どんな食品でもそうですが、食べ物はすべて作りたてが一番おいしい訳です。そのおいしい作りたての味と品質を長時間、そのままの状態で保つことができれば最高だということになります。
ここまでお話すれば大体はお分かりでしょう。以上のことを解決してくれて、最高の餃子作りを実現させてくれるのが、高性能機器による大量均一生産とその品質保持のための冷凍技術です。


食品を冷凍するという本来の目的は、その品質を向上させることではなく、その食品の元の品質や衛生状態を、そのままの状態で保存するということですから、「五味八珍の餃子」は冷凍することによって、その状態が保持されていますから、安心してお召し上がりいただけるのです。


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